スタッフインタビュー:介護の現場から

介護あれこれ


■取材:株式会社フレイバーズ
www.flavours.ac

生きる幸せを共に味わう、だから介護はこんなに楽しい。

【介護付有料老人ホーム ツクイサンシャイン大東 施設長 藤澤 隆】

異業種から介護業界への転職を果たし、今は介護付老人ホームで施設長として約40名のスタッフを束ねる藤澤さん。介護に向き合うブレない姿勢と、悩みに真摯に耳を傾ける包容力とで、お客さまからもスタッフたちからも厚い信頼を集めています。

「もう一度やりたい」その意欲を引き出したくて

Q.現在取り組んでおられる「畑プロジェクト」について教えていただけますか?

土にふれる行為は精神的にも癒しをもたらすということで、小さいですが敷地内に畑をつくって、手入れしたり収穫したりしています。

お客さまには昔ご自分で畑仕事をされていた方も多くいらっしゃるので、みなさん野菜づくりの知識が豊富なんです。「ここの葉っぱは取らんとダメ」とか「花が咲くまで放っといたらアカン」とか、若いスタッフにあれこれ教えてくださる(笑)。

歳をとるとどうしても、以前はできたことができなくなったりします。すると意欲も衰え、できないことがもっと増えていく悪循環に。けれどもそこで、一緒に取り組む仲間ができたり、スタッフに感心されたりして気持ちが前向きになると、どんどんいろいろなことにチャレンジされるようになる。そうなれば、いったんできなくなったことが、またできるようになったりします。

この畑プロジェクトも、皆さんの意欲を引き出す取り組みのひとつとして、大きく育てていきたいと思っています。

Q.お客さまを巻き込むための試みとして、他にも何か取り組まれていることはありますか?

今は、イベントやレクリエーションをもっと充実させていきたいと思っています。

これまでもいろいろと工夫して企画はしてきたのですが、やはり自分たちだけでできることには限界がある。外部の方の力を借りることで、今までにない新鮮な催しものを提供することができるはずだと。

内容は別に大掛かりなものでなくても、ささやかでいいんです。ただ、固定化した顔ぶれや内容ではなく、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたい。ですから既存のルートばかりに頼らず、大学に問い合わせてみたり、スタッフの友人関係にあたってみたりと、新規のルートで外部とつながることにも力を入れています。それがお客さまの笑顔と意欲を、もっと引き出すことにつながればいいなと思っています。

壁は自分で乗り越えてこそ。だからスタッフを信じて見守る

Q.スタッフが行き詰まって悩んでいるときは、施設長としてどんなアドバイスをされるんでしょうか?

ものごとはとらえかたによって二面性がありますから、「絶対にこうだ」という決めつけは禁物。同じ方向から見ていても状況は変わりませんから、そんなときは見方を変えてみることをアドバイスします。

具体的には、距離をおいて冷静になること、人を変えて対応してみることなどでしょうか。直接言いにくいことは代わりに私の口からお伝えしたりすることも。同じ内容でも、違う人が言うだけでうまくいくこともありますから。

ただ最終的には、問題は自分で何とかしないといけないと思うんです。アドバイスはできるけれど、結局乗り越えるのは自分。私も相談を受けてアドバイスをしたら、あとはすぐに結果を求めずに、根気強く乗り越えるのを見守るようにしています。

乗り越えた人だけが味わえる、介護のほんとうの楽しさ

Q.自分の力で乗り越えることを大切にしていらっしゃるのですね。乗り越えた先で得られるものは何でしょうか?

何といっても自信がつくことです。何となくこの仕事を始めた人でも、壁にぶち当たってくじけそうになって、乗り越えた経験ができると、「もっとこんなことができるようになりたい」とか「次はこんな資格をとってみよう」など、具体的な目標が見えてくる。経験に裏打ちされた自信は、次へのチャレンジにつながります。

初めて介護職へ応募される方で、「週2日くらいで働きたい」という方がときどきいらっしゃいます。でもそのくらいの働き方だと、仕事を覚えるのも、お客さまとのコミュニケーションにも時間がかかる。ということは、「介護は楽しい!」と思えるまでに相当時間がかかってしまう。やると決めたらつまみ食いではなく、どっぷり取り組んでほしいなと思います。もちろん辛いことやしんどいことはありますが、介護の仕事は、知れば知るほど楽しいことがどんどん出てくる。トコトンやってみようかという気持ちにさえなれば、きっとそのことを実感してもらえると思います。

となりで一緒に笑って泣いて。介護はかけがえのない経験をくれる

Q. 藤澤さんにそこまで言わせる「介護の仕事の楽しさ」とは、ズバリ何なんでしょうか?

介護の仕事の醍醐味は、こちらの関わり方ひとつで、良い方向にも悪い方向にもいくところ。たとえば、できないことができるようになったり、普段見せないとびきりの笑顔を見せていただいたり・・・。やればやるほど、反応があって、状況が変わっていくんです。

以前、帰宅願望がとても強い方がいらっしゃいました。ドアが閉まっていたらガンガン叩いたり、大声を出されるような毎日で、イベントやレクリエーションもまったく興味を持っていただけず、大変でした。

でもスタッフみんなが根気強く関わり続けたことで、今では心を開いて穏やかに過ごしていただけるようになった。最近では自発的に体操などにも参加していただいています。こちらの気持ちが伝わり、少しずつですがその方の心のありようが上向いていく、そんなポジティブな転換を呼び込むことができたのがうれしかった。そうしたやりがいと達成感は、何にも代え難いものがあります。

介護は、その方の人生の最終章にあって、誰よりも近くに寄り添う仕事。ご家族さまですらきっとご存知ないことも、全部を見せていただいて、そのうえで関わらせていただける。こっちはおもしろいことを言っているつもりがなくても大爆笑されたり、逆にすごく落ち込んでいらっしゃったり・・・。その方の喜怒哀楽をとなりで一緒に見せていただける、本当に特別な仕事だなと思います。

取材してみて・・・

ツクイサンシャイン大東のエントランス奥には、専門的なトレーニングマシンが並び、リハビリの専門スタッフも在籍しています。

「パワーリハビリにも力を入れているんですが、リハビリに来られても皆さん8割は雑談されているんですよ」。藤澤さんは笑ってそう言いますが、リハビリ2割、雑談8割のバランスには、自発性を尊重する介護への姿勢が表れているように思います。

介護の楽しさや喜びについて、ひとつひとつ言葉を選びながらていねいに語ってくれた藤澤さん。どんな仕事にも挫折や喜びはあるけれど、介護の仕事で得られるそれは、ほんとうに特別なものなんだな、ということを教えていただいた一日でした。

(取材協力)
株式会社ツクイ
介護付有料老人ホーム ツクイ・サンシャイン大東
〒574- 0016 大阪府大東市南津の辺町18-11 居室数:56 室(全室個室)
お問い合わせ先 TEL:072-863-0880
http://www.tsukui-sunshine.net/home/daito/index.html

スタッフインタビュー 介護の現場から
介護付有料老人ホーム 施設長 藤澤 隆さん

人気ランキング

78605 Views

介護士としての個人目標の立て方 | 自己評価シート対策

49614 Views

介護職員が使っている 腰痛になりにくいウラ技とは?

45976 Views

介護保険制度における16種類の特定疾病について

36662 Views

3分で分かる介護福祉士とケアマネジャーの違い

30695 Views

老人ホームで働く時に必要な資格 | あると喜ばれる資格

23548 Views

介護用品を扱う専門資格「福祉用具専門相談員」の取得方法

20938 Views

認知症ケア専門士の資格を介護士が取得するメリット

17469 Views

介護の職場でよくある、職員同士の人間関係を円滑にするためには

17341 Views

介護施設の送迎ドライバーについて

15697 Views

介護職員初任者研修を働きながら取得する方法

かいごGardenとは?

“かいごGarden”はツクイスタッフが運営する介護の情報サイトです。介護に関する情報をお届けいたします。
介護のお役立ち情報や、介護の仕事のお悩み情報なども掲載しています。