スタッフインタビュー:介護の現場から vol.2

介護あれこれ

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■取材:株式会社フレイバーズ
http://www.flavours.ac

優しく、真剣に。人を想って関わることが介護のすべて

【介護付有料老人ホーム ツクイサンシャイン大東 施設長 藤澤 隆】
異業種から介護業界への転職を果たし、今は介護付老人ホームで施設長として約40名のスタッフを束ねる藤澤さん。介護に向き合うブレない姿勢と、悩みに真摯に耳を傾ける包容力とで、お客さまからもスタッフたちからも厚い信頼を集めています。

資格も経験も関係ない。必要なのは人としての優しさ。

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Q.多くの人材を見てきた藤澤さんですが、介護の仕事に向いている人と向いてない人の違いは何だと思われますか?

個人的には資格とか経験とか、性別、年齢はまったく関係ないと思っています。ただひとつ大切なことは、人としての根本的な「優しさ」を持っているかいないか、でしょうか。

介護の仕事は、専門職で細かく分かれています。だからどうしても1人ではできなくて、仲間のスタッフと協力しあう必要がある。それにシフトで動いているので早番、日勤、遅番と、情報を申し送っていかないとうまく流れない。みんなが協力し合わないと、ひとつとしてうまくいかないのが介護の仕事の特徴でもあるんです。

たとえば誰かが、急に子供が熱を出して出勤できなくなったとします。その分を誰かが都合をつけて補わなければ、現場は回らない。そんなときに、「休んだ人の持ち場は自分の領域じゃないから関係ない」という考え方の人だと難しいのかなと思います。

逆に言えば、相手の気持ちや状況を思いやることができる人であれば誰でも、十分やりがいをもって取り組める仕事。男性であっても年配であっても、介護の経験がゼロという人でも、それがハンデになることはありません。本当にやりたいという方は、ぜひ私たちに相談してもらえたらと思います。

施設全体に流れるあたたかな空気は、人と人の間に思いやりがあるから。

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Q.スタッフ同士、思いやることが大切なんですね?

介護では24時間365日、イレギュラーなことが絶えず起こります。基本的な流れやマニュアルはありますが、あとはその場その場で良い選択をしていくしかありません。そんなときに施設の方針、責任者の考え方が反映され、それが施設の雰囲気をつくっていく。そういう意味でいうと、うちではスタッフ同士が横の関係のなかで互いに助け合うことを、ひとつの方針にしています。

そのせいか、トラブルが発生したときだけでなく普段から、みんなが自分の本来の仕事以外のところで、自発的に関わってくれることが多いように思います。

たとえば、厨房のスタッフが調理だけでなく、食堂の中に毎月季節の製作物をつくってテーブルごとに置いてくれたり、ちょっと時間があるときに食事の介助を手伝ってくれたり。また仕事が終わった後に、ボランティアでお客さまのところに行って絵本を読んでくれる人がいたり……。仕事が終わってそのまま帰っても、誰も何も言わないのに、そこでちょっと立ち止まって、何か自分にできることはないかと考えてくれる。そういうみんなの優しさが、施設の個性になっているとしたらうれしいなと思います。

「真剣にやろうよ」のひと言で生まれ変わったメンバー。

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Q.プラスアルファの仕事を自発的にするためには、やはりやる気も重要ですか?

やる気というよりは「真剣さ」と言ったほうが正しいかもしれません。

真剣さを持てないまま仕事をしていると、どうしても中途半端になってしまう。過去にそんなスタッフがいて、一度けっこうシリアスに「お互いもう少し真剣にやろうよ」ということを言ったことがありました。その後、人が変わったようにたくましくなってくれたのはうれしかったですね。本人いわく「施設長のひと言で生まれ変わった」んだそうです。

年間で数多くの面接をしているなかでも、介護をやろうという考えに至った動機は重要視しています。たとえば以前のお仕事を何らかの理由で退職されて、「介護だったら仕事があるだろう」という安易な考えで来られる方もたくさんおられるんです。面接してみて真剣さが感じられないなと思ったら、ていねいにお断りしています。私の経験上、スキルや経験は後からついてくるものですが、最初に気持ちがなかったら、後から伸びることはほとんどないですから。

Q.藤澤さんが考えられる「真剣さ」というのは、具体的に言うとどんなことなんでしょう?

私が日頃スタッフに言っているのは「もしもスタッフがみんな抜けてしまって、私1人になったとしても、私だけは残ってここで介護をする」ということ。まあ、こんなことは実際ありえないんですが……。そのくらいの覚悟をもってやっているので、君たちも頼むね、お互い真剣にやろうと。

以前、入居から半年が経ってもなかなか施設に馴染んでいただけない方がおられたときは、スタッフだけでなく私も心が折れそうでした。そんなとき、私が「もう無理だな」と言ったらみんながそっちに流れてしまう。だから「何とかしよう」と口に出し、そして必ず何とかする。私もしんどいけれども、基本路線はブレずにいることは大切なことだと思っています。

介護スタッフはスーパーマンじゃない。
愚痴も弱音も吐く普通の人たち。

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Q.個人的には、介護をしている人は並みはずれた博愛精神を持った方々だなと感じるんですが?

外から見てそう見えているとしたら、それはプロとして、真剣に介護に向き合っているということなんだと思います。実際にはスタッフたちも、みんなそれぞれ悩みや、家庭の事情を抱えた普通の人たちなんですよ。

いつも明るく元気に、お客さまやご家族さまに笑顔で接している人でも、その場を離れたら弱音を吐いたり、愚痴をこぼすことだってあります。私も施設長として、しょっちゅういろんなスタッフから「相談してもいいですか」とか、「ちょっと今、こんな状態で悩んでます」とか、絶えず相談をもちかけられています。

みんなそれぞれ等身大の悩みやしんどさをかかえながら、それを上回る楽しさややりがいを感じて仕事をしている。それは介護職じゃなくても、どんな仕事でも同じではないでしょうか。博愛精神のかたまりじゃない普通の人だって、十分やっていけると思いますよ。必要なのは真剣に介護に向き合うこと、それだけなんです。

取材してみて……

ツクイサンシャイン大東のダイニングルームには、テーブルごとにつくしや桜をかたどった春の装飾が。手の込んだ作品に感嘆し、写真を撮っていると「それいいでしょう!うちの職員さんが作ったのよ」と入居者の方に自慢されてしまいました(笑)。さて、藤澤さんのインタビューは次回で最終回。「こんなに楽しい仕事はないです」と笑顔で言い切らせる、介護の楽しさの本質に迫りたいと思います。

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(取材協力)
株式会社ツクイ
介護付有料老人ホーム ツクイ・サンシャイン大東
〒574- 0016 大阪府大東市南津の辺町18-11 居室数:56 室(全室個室)
お問い合わせ先 TEL:072-863-0880
http://www.tsukui-sunshine.net/home/daito/index.html

スタッフインタビュー 介護の現場から
介護付有料老人ホーム 施設長 藤澤 隆さん

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