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介護レク特集 vol.5 回想レクリエーションのやり方を教えて!

資格・制度


前回から介護現場のレクリエーションの課題、お悩みについて書かせていただいておりますが、今回は第2弾!回想レクリエーションの方法についてです。

皆さんは回想レクリエーションにはどのような効果があるか、ご存知でしょうか。回想療法というものがあり、回想療法では情緒の安定や、老いや死に対する恐怖を軽減する効果があるといわれています。もちろん、今回ご紹介するのは療法ではなくレクリエーションですので、プロの回想療法士が行うのとまったく同じ効果を求めることはできません。

ただ、少なくとも回想は高齢者の脳や身体によい影響をあたえますのでなるべく正しい方法で行うほうがよい、というわけです。

回想とは、そもそもどういったものなのでしょうか。大辞林で調べるとこのようにあります。

「過ぎ去ったことを振り返り、思いめぐらすこと」

これをレクリエーションにするには、話を掘り下げていかなければなりません。回想レクリエーションを行うには、高いコミュニケーション能力が求められます。また、施設で回想レクリエーションを行う際は、きちんと記録をとっていく必要があるでしょう。この時、高齢者のアセスメントは予めしっかりとっておく必要があることは言うまでもありません。

さて、「高いコミュニケーション能力」といってもなんだか漠然としていますね。ここで必要な能力とは、「聴く力」「質問する力」です。高齢者の言葉に耳を傾け、そこから質問して話を広げていくことが大切です。このときに、高齢者が辻褄の合わない話や、矛盾した話、全く違う話をしても決して責めたり、修正しないことが大切です。

高齢者さんの思い出話を聞いているうちには、悲しい出来事を思い出すこともあるかと思います。それによって泣き出してしまう場合もあります。そんなときには、優しく寄り添う姿勢が大切です。また、「つらいことを思い出させてしまってごめんなさい」などの謝罪は不要です。高齢者は自分自身の過去に向き合い、涙を流しているのですからそれをむやみに止めるよりも、隣で手を握ったり、そっと背中をさするなどして寄り添うことが必要です。しかしながら、そのまま回想レクリエーションが終わってしまうと、その人はその記憶ばかりに縛られて沈んだ気持ちで一日を過ごすことになってしまいます。回想レクリエーションの最後は必ず、明るい思い出でしめくくるようにするとよいでしょう。

ただ、なかなか思い出を引き出すのが難しい!という方もいらっしゃるかと思います。そういった場合は、ツールを活用するのもよいかと思います。回想をテーマにしたグッズや、本などがたくさんありますから、ぜひこうしたものも上手に活用してみてください。

以前、私が携わった仕事で株式会社ユーキャン様から出されている「思い出しカード」の監修をさせて頂いたことがあります。「思い出しカード」は、戦後の写真画像を見ながら高齢者の記憶に呼びかけるものですが、開発時にはもちろん介護現場で多くの検証もしました。その時のことをご紹介させていただきます。
高齢者さんの前に、思い出しカードの候補画像をたくさん広げました。するとどの方も思い思いのカードをすぐに手にとり、写真に見入っていらっしゃいました。

カードの一枚に、焚き火の写真がありました。焚き火を囲んで5人の女の子がいます。年のころは10歳前後の子達かと思います。その子達の3人は背中に幼い兄弟を背負っています。

その画像を見た高齢者の1人が、仰いました。

高齢者「私もこういうちゃんちゃんこ着てたのよ」

「そのちゃんちゃんこは、買ってもらったものですか?」

高齢者「買わないわよ~。昔はね、服なんかめったに買ってもらえないの」

「では、どうされたんですか?」

高齢者「私のはね、おかあちゃんが作ってくれたのよ。兄弟が多いからみんなお下がりなんだけど、その時の私のちゃんちゃんこは作ってくれてね、うれしかったなぁ・・・・」

そんな話をしていると、別の高齢者さんが仰いました。

高齢者「私もね、いっつもこうやって弟をおぶってたのよ」

「弟さんがいらっしゃるんですね!」

高齢者「そうなのよ。あの頃は上が下をみるなんて当たり前の時代だから、弟をおぶりながら遊んだりもするだよ」

「どんな遊びをしてたのですか?」

高齢者「ん~いろいろしたけど・・・・あっ、そうそう、かくれんぼしてね、私がどんなにうまく隠れても、後ろの弟が見えちゃったり、泣いたりするもんでしょ。だから、すぐにみつかっちゃうの。それで、私、悔しくて頭にくるから、後ろの弟の足をねこうやってぎゅ~とつねるわけ。そうすると、もっと泣くのよ~」

他の高齢者たちもこうした他人の話から自分はどうだったか?と思い出し、最後は高齢者同士で楽しく盛り上がっていらっしゃいました。

一枚の同じ写真でも、見る方によって見ている場所は違います。ちなみにこの時の写真からは他にも髪型の話をされる方もいらっしゃいました。

回想は、思い出し、それを言葉にして話す、という行為が重要です。思い出しただけでは足りないのです。ご紹介した例はグループ回想レクリエーションですが、個別で行うことももちろんできます。どちらの場合も重要なのはこちら側から、話を否定したり、無理やり話を終わらせたり、変えたりしないということです。なぜなら、回想の目的が高齢者自身が自分自身と向き合きあいながら、過ぎ去った日々を思い巡らすことにあるからです。

さて、いかがでしたでしょうか。回想レクリエーションについて少しでも理解を深めていただけたら嬉しいです。

【介護現場のレクの悩みあるあるをスパッと解決】
vol.1 介護現場でレクレーションが担う役割
vol.2 介護現場で使える資格「レクリエーション介護士」
vol.3 介護現場のレクだけを担うお仕事
vol.4 介護度の異なる利用者さんに提供するレクってどうしたらいいの?
vol.5 回想レクリエーションのやり方を教えて!
vol.6 レク中に利用者さんが複数で話し始めてしまった時、どうしたらいいの?
vol.7 繰り返し行えるレクが知りたい

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