在宅介護を始める人に役立つ4つの資格と取得方法

資格・制度


この記事では、将来家族の在宅介護を行うために、知っておきたい知識やおすすめの資格などをお伝えします。

65歳以上の高齢者が4人に1人という時代を迎え、介護に関する関心はますます高まっています。テレビの番組でも「認知症」に関する特集をよく目にするようになりました。

高齢者の方が増えると同時に、介護の仕事をする・しないに関わらず、”介護に関して自分自身でもできること”を知るために介護系の資格の取得を考え、そこで学んだ知識を自分の身内の在宅介護に役立てる人が増えてきています。

では実際に、在宅介護に役立つ資格にはどのような資格があるのでしょうか?

下記で詳しく見ていきたいと思います。

在宅介護に役立つ4つの資格

家族の在宅介護に役立つ介護系の資格は、下記の4つです。

  • 介護職員初任者研修
  • 福祉住環境コーディネーター
  • 准サービス介助士
  • レクリエーション介護士

それぞれの資格について、以下で詳しく説明していきたいと思います。

介護職員初任者研修は介護の基礎を学べる資格

介護職員初任者研修では、介護の基本と言える介助方法の基礎を学んだり、実際に演習で生徒同士でベッドで介助する側、される側の心理状態を学ぶことができます。

また、人間の生活に必要な動作(日常生活、入浴、排せつ、食事など)の1つ1つを細かい箇所まで学ぶことで、介護者にも無理のない方法を知ることができます。

介護職員初任者研修は、少し前まではホームヘルパー2級と呼ばれていた資格で、「介護の仕事を始める際にはぜひ取得しておきたい!」という位置づけの資格でもあります。

実際に在宅介護を始める際にも、この資格を取得しておくとあらゆる場面で役に立つことでしょう。

福祉住環境コーディネーターは在宅介護に必要な環境作りを学べる資格


福祉住環境コーディネーターの資格は、介護に用いる用具の知識、介護に必要な環境作りにポイントを置いている資格です。

介護職員初任者研修でも、よく使用される福祉用具の知識に関する項目は存在していますが、福祉住環境コーディネーターの資格では、さらに深く福祉用具の知識を得ることができます。

バリアフリーに関する知識、住まいの知識などを活用することで、在宅介護に必要な環境作りに取り組む時に、大いに役に立つことでしょう。

また、将来を踏まえて自宅をバリアフリーにする環境を意識したり、新築や改築の際にも自分で考えが持てるようになりますので、自分の理想の住まいを提案することができるようになります。

例えば、日常ではほとんど意識することのなかった小さな段差も、体力の衰えとともに転倒のリスクとなることがあります。福祉住環境コーディネーターとしての知識があれば、小さな段差のように、今まで気づけなかった細かい部分まで目が行き届くようになることでしょう。

准サービス介助士は幅広い介助の知識を得られる資格


准サービス介助士の資格は、介護ではなく、介助を主としている資格です。

准サービス介助士の資格を持っていることで、幅広い介助の知識を得ることができますので、これから介助の勉強をしておきたいという方におすすめの資格です。

介護というと、寝たきりの方を介護するというイメージがあるかもしれませんが、実際には様々な幅広いケースがあります。身体が不自由といっても、すべてがベッド上で生活しているわけではありませんよね。

例えば「耳が聴こえない」という方にはどのように接すればよいのか、「車いすに座っている方にはどのように話しかければよいのか」など、介助において様々な場面で役立つ知識を学ぶことができます。

在宅介護においても、難聴で会話が成立しにくい時や、一部介助しながら身体を動かすことがあります。そんな時、介助に関する幅広い知識があれば、介助相手とのコミュニケーションも円滑に進めることができます

レクリエーション介護士は日頃のコミュニケーションにメリハリをつけることができる資格


レクリエーション介護士の資格は、在宅介護中の日頃の会話にメリハリをつけたり、介護・介助されている人が自宅でも楽しむことができる趣味を見つけることにつながるでしょう。

在宅介護における問題点のひとつに「閉鎖的である」という言葉を聞いたことはないでしょうか。人間は目が覚めてから、再度眠るまで色々な活動をしていますが、介護状態になるとその活動内容は制限され、同じことの繰り返しになりがちです。

閉鎖的と言われる状態が続くと、制限のかかっている活動内容のひとつひとつに敏感になってしまい、わずかな声かけなどで心が乱れてしまったり、介助者と気まずくなることも珍しくありません。

レクリエーション介護士の資格では、高齢期の心理状態や対話術を学び閉鎖的な気分にならないよう配慮することができるようになります。

また、リハビリの言葉で「残存機能を生かす」という意味がわかるようになります。

これは介護状態になっても、動かせる箇所をしっかり運動していこうという意味なのですが、知識を生かして無理矢理相手にやらせるのではなく、自然に楽しみながら活動ができるようになるのです。

介護系の資格が、在宅介護において役に立つ場面(メリット)

ここまで、在宅介護に役立つ4つの資格を解説しました。

もちろん、身内の介護・介助において資格が必ずしも必要というわけではありませんが、在宅介護を始めるにあたり、資格の勉強で得られるような知識がないと、難しいことや大変なことがあるものなのです。

実際に介護系の資格を取得しておくと、在宅介護におけるどんな場面でどんな風に役に立つのでしょうか? いくつか例に挙げてみたいと思います。

  • 食事介助のやり方が分からない場合
  • 多機能車いすの操作の仕方が分からない場合
  • どのように介護・介助相手と会話したらいいか分からない場合

食事介助のやり方が分からない場合、介護職員初任者研修で学んだことが役立つ

食事介助とは、食べ物を口に運ぶ介助をおこなうことですが、介護職員初任者研修を取得していると、食事に関する介助の基礎知識を学ぶことができます。

口腔内に麻痺はないか、義歯の噛み合わせは大丈夫か、食事の温度は熱すぎないか、適量を口に入れているかなどの手順を知ることができ、介助しやすくなります。

多機能の車いすの操作の仕方が分からない場合、福祉住環境コーディネーターの資格が役立つ

福祉住環境コーディネーターを取得しておくと、車いすの深い知識を学ぶことができますので、介助に合った操作ができるようになります。

車いすにも種類がたくさんありますが、例えばベッドから車椅子への移乗介助をする場合、車いすのアームレストやフットレストを外しておくと、介助の際に擦り傷などを負う心配が無くなります。

また、ADL(日常生活動作)に合わせて用具を変更したり、杖の高さを調整したりできるようになり、日常の介護にも非常に役に立ちます。

どのように相手と会話していいかわからない場合、レクリエーション介護士の資格が役立つ

レクリエーション介護士を取得しておくと、介護・介助相手の現状を受け入れ、そこから新しい発想を考える知識が身に付きます

家族の在宅介護では、以前の元気な状態の相手と同じように接してしまうことも珍しくありません。家族から「もう○○するのが辛い」「○○したくない」という言葉を聞いた時、「もう、そんな弱音は言わないで!」という風に否定してしまっては逆効果になってしまいます。

相手を否定するのではなく、相手に同調し、そこから一緒に新しいことを考えていくことができるようになるので、日常の人間関係のやり取りにも役に立ちます。

在宅介護に役立つ4つの資格それぞれの取得方法

今記事で紹介している「介護職員初任者研修」、「福祉住環境コーディネーター」、「准サービス介助士」、「レクリエーション介護士」それぞれの介護系資格について、資格の取得までにどのぐらい時間がかかるのか、スクーリングは必要なのかなどを簡単にご説明したいと思います。

介護職員初任者研修の資格の取得方法

介護職員初任者研修の資格の取得には、自宅勉強だけでなくスクーリングが必要となりますので、通いやすい最寄りのスクールを探すことがオススメです。

コースによって資格の取得期間にばらつきはありますが、概ね1~4ヵ月あたりが目安となっています。

介護職員初心者研修の取得方法については、下記記事でも詳しく触れておりますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
→ 介護職員初任者研修を働きながら取得する方法

福祉住環境コーディネーターの資格の取得方法

福祉住環境コーディネーターの資格には、3級、2級、1級があり、スクーリングは必要ありません。直接試験会場で試験を受け、合格すれば資格を取得できます。

3級、2級に関しては、受験資格はありませんので、誰でも受験可能です。

しかし、1級においては、先に2級に合格していることが条件になります。

つまり独学で取得することも可能なのですが、独学では不安な方は通信で学習することもオススメです。

資格の取得期間は、概ね1~3ヵ月ほどとなっています。

准サービス介助士の資格の取得方法

准サービス介助士の資格は、通信で学習することが可能となっており、試験も在宅試験で取得することができるようになっています。

概ね3~6カ月で自分のペースで取得することができます。

また、准サービス介助士からサービス介助士にステップアップすることも可能です。

サービス介助士には現場実習(スクーリング)や検定試験がありますので、准サービス介助士からさらに高いレベルを望むこともできます。

レクリエーション介護士の資格の取得方法

レクリエーション介護士には2級と1級があります。2級は特に受験資格はありませんが、1級は先に2級に合格しておく必要があります

2級は通信教育で取得が可能となっており、試験も在宅試験となります。学習期間は概ね3ヵ月ほどとなっています。1級は通学と実習が必要となります。

お互いに不安を抱え込まない在宅介護を心がけよう


介護系の資格を取得するということは、同時に今まで知らなかった介護に関する知識を知るということです。

介護にはそれぞれ”テクニック”があり、少しの動作の工夫で相手にも負担をかけることなく、さらに自分自身の負担を減らしながら介護することができます。

ただ、介護に関する正しい知識があったとしても、在宅介護をする不安は完全になくなることはないでしょう。また、介護される側もまた、不安や心配がつきまとっています。だからこそ、少しでもお互い快適に在宅介護生活を続けれるようにすることが必要だと思います。

そのために、介護に関する正しい知識や技術があれば良いのはもちろんですが、まずは「不安なのは自分だけじゃない」という気持ちを持つことが快適な在宅介護生活を続けていくために必要なのかもしれません。

介護に関する悩みは言いにくいかもしれませんが、介護者が先にダウンしてしまっては共倒れになってしまいます。辛い時は1人で抱え込まずに、相談できる相手を見つけることも大切です。

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