介護レク特集 vol.3 介護現場のレクだけを担うお仕事

使えるハウツー


前回、レクリエーション介護士についてお話を致しましたが、このレクリエーション介護士の中から、介護の現場でレクだけを請け負って、それをお仕事とされている方が続々と誕生しています。

介護レクリエーションのプロ

これまでの介護現場では、無償によるボランティアがほとんどでした。しかし、超高齢化社会を迎え、介護保険制度やサービスの内容が変わりつつあるなかで、正しい介護レクリエーションの知識と高いスキルをもった「介護レクリエーションのプロ」として活躍する人たちが生まれたのです。これまで無料だったレクリエーションが有料になり、施設にも、高齢者にもメリットがないように見えますが、それは違います。施設は質の高いレクリエーションを提供しているということが、施設のウリになります。高齢者は質の高いレクリエーションを受けることで、生きがいややりがいを見つけることができます。

具体的にどのような方々が活躍しているのでしょうか。いくつか事例をご紹介しましょう。

具体例1 フラワーアレンジメントレクリエーション

Aさんは長年介護施設で勤めてきましたが、ご自身も高齢になり今までのように介護業務を行うことが身体的に負担になってきました。そのようななかで、レクリエーション介護士と出会い1級を取得し、介護レクリエーションに関して高い知識を取得しました。もともとお花が好きだったこともあり、現在は介護現場での「フラワーアレンジメントレクリエーション」の講師として活躍しています。長年、業界で働いてきたAさんならではの気配りは、職員たちにも大変好評です。

具体例2 マジック

プロマジシャンたちを多く抱える企業があります。全国各地で日々マジックを通して多くの方を笑顔にしている人たちです。しかし、彼らが介護現場でマジックを行ったときに、大きな課題に直面しました。それは目の前にいらっしゃる高齢者が身体のどこかに障がいを抱えていたり、認知症であるということです。大きな声を出すタイミングひとつとっても戸惑います。なによりも、コミュニケーションには苦労したと仰っていました。そうした彼らがレクリエーション介護士を学んだことで、こうした課題が解決されました。いまでは、介護レクリエーションを学んだマジシャンならではのメニュー構成により、多くの施設で高齢者や職員の皆さんを笑顔にしています。

さて、お伝えしたのはほんの一例ですが、どう感じられたでしょうか。

育ってきた背景の違い

お伝えした事例からもわかるように、介護レクリエーションを正しく理解することで、フィールドが広がり介護現場との繋がりが生まれます。そして、介護現場と社会との繋がりはこうした小さなひとつひとつの活動から生まれます。

若い世代の方が高齢者と関わったときに、コミュニケーションひとつとっても実は大変難しいことなのです。それは、「生きてきた背景」の違いです。

2000年に生まれた子も今(2017年)では17歳になります。私たちの生活はIT化が進み、身の回りには多くのITが存在します。スマホひとつをとってもそうです。いわゆる「便利」が当たり前の環境で生活しています。

一方高齢者はどうでしょうか?施設の高齢者の全国平均は84歳といわれています。もっと年上の方もいらっしゃいます。そうした高齢者たちは戦争を経験し、戦後の何もなかった時代を経験しています。

人生で一番びっくりした発明品は?

「人生で一番びっくりした、世の中の発明品はなんですか?」と聞かれたら、あなたは何をイメージしますか?

私が以前高齢者に同じ質問をしたところ、こんな回答が返ってきました。

  • 「やっぱりテレビかなぁ~遠い万博の様子が見れるっていうんだから……すごいなぁって思ったもんだよ」
  • 「チョコレートかしらね。子供の頃、初めて食べたチョコレートの味は一生忘れない」
  • 「洗濯機かしらねぇ。いつも家の手伝いで洗濯物を絞っていたんだけど、冬なんて本当に手が冷たいの。それでも家族全員の分をするわけだから、手があかぎれになっちゃうのよ。だから、洗濯機で洗ってローラーに挟んで絞れるの見たときは本当にビックリしたのよ。でも、その洗濯機はお友達のうちにあってね、うちは貧乏だったから買ったのはずっと後のことよ」


さて、どうでしょう?みなさんがイメージしたびっくりした発明品に近いものはありましたか?
こうしたことからも、生きてきた背景の前提が違うということがわかると思います。高齢者が生きてきた時代が今とは全く違うということをわかった上で、コミュニケーションをとるだけでも大きく変わってくるのです。

介護現場を日常に近づける

ゆえに、様々な特技をもった方が、レクリエーション介護士を学ぶことによりきちんと理解して、介護の現場で活躍できる!というのは、こうしてみてみると納得なことのように思えるのです。そうした人々が加わることで、介護現場のレクリエーションにプロの技が加わります。これは介護を受ける高齢者たちが、介護を受けるようになる前に当たり前に過ごしていた日常に少し近づくということだと、私は思うのです。

こうして、業界外の人々が今後もっともっと介護業界に携わる機会ができていくのは、閉鎖的といわれるこの業界を開くことにも繋がります。もちろん、そこには、「正しい知識を持ったうえで」という前提が加わります。

さて、今回は介護の業界でレクだけをお仕事にする人々にスポットをあててお話をしましたが、次回からは、実際に介護現場から伺った「悩み」についてお答えをしていきましょう。

【介護現場のレクの悩みあるあるをスパッと解決】
vol.1 介護現場でレクレーションが担う役割
vol.2 介護現場で使える資格「レクリエーション介護士」
vol.3 介護現場のレクだけを担うお仕事
vol.4 介護度の異なる利用者さんに提供するレクってどうしたらいいの?
vol.5 回想レクリエーションのやり方を教えて!
vol.6 レク中に利用者さんが複数で話し始めてしまった時、どうしたらいいの?
vol.7 繰り返し行えるレクが知りたい

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