介護予防サービスとは何か?対象者とその内容

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一般的な介護・介助サービス以外に、“介護予防サービス”と呼ばれているものがあります。

「何かを予防することが目的?」だとは分かるのですが、どんなサービスなのかわからないことばかりです。

そこで今回の記事では、そんな介護予防サービスについて、詳しく説明させていただきます。

介護予防サービスとは

介護予防サービスとは、介護保険制度で「要支援1」あるいは「要支援2」と判断された介護度の低い人たちが、これから介護度が上がっていくことを防ぐために、生活機能の向上と自立した生活の維持を目的として利用するサービスのことです。

一般的な介護サービスとの違い

一般的な介護サービスについては「要介護1~要介護5」までの人が利用することができます。

介護保険制度の多種多様なサービスを、1割負担または2割負担で利用することができ、自立した日常生活を営むことができるよう支援を受けていきます。

一方、介護予防サービスについては、「要支援1~要支援2」の人が利用することができます。

介護サービスとほぼ同様に、自立した生活の維持や、日常生活機能の向上を目指すことができるよう支援を受けていきます。

介護予防支援との違い

介護予防支援は「要支援1」または「要支援2」の認定を受けた人が、自宅で介護予防サービスを適切に利用できるように、ケアプラン(介護予防サービス計画書)の作成やサービス事業所との連絡・調整を行うなどのサービスを指します。

つまり、介護予防支援は”介護予防サービスの一環”とも言えるのです。

介護予防支援は、地域包括支援センターが行うことになっているのですが、居宅介護支援事業所に業務委託をしている場合もあります。

介護予防サービスを受けられる対象者


介護予防サービスを受けられる対象者は、次のような方たちです。

  • 要支援1の認定を受けている人
  • 要支援2の認定を受けている人
  • 総合事業対象者

※総合事業対象者……市町村にて、65歳以上で介護認定の調査や審査を受けなくても総合事業の対象であることを認められている人

以下でそれぞれの対象者について、さらに詳しく解説します。

要支援1の認定を受けている人

「要支援1」の認定結果の方は、限度額が1番低い状態にありますが、介護予防訪問介護は週1~2回程度、介護予防通所介護は週1回程度利用できます。

そのほか、

  • 介護予防福祉用具購入
  • 介護予防福祉用具貸与(一部貸与できず)
  • 住宅改修
  • 短期入所生活介護

などをはじめとする、介護予防サービス内のおおむねのサービスを利用することが可能です。

限度額の範囲が低い(月額50,030円)ため、必要なサービスに絞って利用していきます。

要支援2の認定を受けている人

「要支援2」の認定結果の方は、限度額が月額104,730円にアップします。

介護予防訪問介護は週1~3回程度、介護予防通所介護は週2回程度利用できます。

ほか、介護予防福祉用具購入や介護予防福祉用具貸与(一部貸与できず)、住宅改修や短期入所生活介護などについては、要支援1でも述べたことと同等で、おおむね利用可能です。

総合事業対象者

2017年4月より制度開始となった、総合事業対象者については、おおむね「要支援1」に近いサービスが利用できます。

しかし、介護予防通所介護と介護予防訪問介護のみが利用でき、ほかのサービスは利用ができないことになっています。

必要な場合は、通常の介護認定の審査や調査を受け、認定を受けることが必要となります。

介護予防サービスの内容(ケース別に紹介)


介護予防サービスとひと口にいっても、その内容は多岐にわたります。

ここでは、わかりやすくするためにケース別(場所別)で、どんなサービスが行われるのか紹介させていただきます。

  • 家に来るケース(訪問看護・訪問リハビリ・居宅療養管理指導など)
  • 通所型施設に行くケース(デイサービス・デイケアなど)
  • ショートステイするケース
  • 住宅改修するケース
  • 施設利用するケース(ショートステイではない)

家に来るケース

ホームヘルパーは、利用者さんができない家事支援を行うことが主な仕事となります。

要介護認定の方は、生活支援と身体介護とに分かれているのですが、介護予防サービスについては、分かれていないため、相談しながら必要なサービスを利用してきます。

できるだけ、自立をめざした支援を受けることが望ましいです。

通所型施設に行くケース

介護予防におけるデイサービスやデイケアは、

  • 外出機会の確保
  • 入浴介助の支援
  • 運動
  • 他者との交流

などが目的で利用されます。

要介護認定の方は、複数のデイサービスやデイケアを組み合わせて利用することが可能ですが、予防サービスの方については、一か所のみを利用していきます。

利用回数も限られていますが、外出することで引きこもりを予防し、活動的な生活を送れるように支援を行っているのです。

ショートステイするケース

ショートステイには、短期入所生活介護や短期入所療養介護があります。

予防支援の方については、介護度によって定められた限度額内での利用となります。

入所としては利用ができない、特別養護老人ホームに設置されているショートステイを利用することができます。

住宅改修するケース

  • 自宅にある段差を取り除く
  • 手すりを取り付ける
  • 床材を変更する

など、建築会社にお願いして自宅の一部分を改修することができます。もちろんこの改修の目的は、介護予防サービスを受けられる方が、出来るだけ安全に自立した生活を送ることなので、通常のリフォームとはまったく異なります。

介護保険では20万円を限度に利用できるのですが、市町村によっては20万円以上利用できるところもあります。

施設入所するケース(ショートステイではない)

介護予防サービスの範疇では、特別養護老人ホーム、老人保健施設への入所はできません。

しかし、グループホームについては、認知症と診断を受けている「要支援2」の方については入所可能となります。

介護予防サービスで貸出および購入の援助が受けられる物


介護予防サービスにおいて、貸出(レンタル)または購入するための金銭的援助が受けられる物は、限られています。

以下では、どんな物だと介護予防サービスにおける援助が受けられるのか、紹介します。

貸出(レンタル)の援助が受けられるもの

  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行補助つえ

購入の援助が受けられるもの

  • トイレ用具等
  • 入浴用具等

再利用に抵抗感が伴うものや、使用により品質が変化するものは、貸出(レンタル)を受けることができません。そのため、どうしても購入する必要があります。

介護保険では、年10万円まで補助を受けることができると決められています。

※市町村によっては、年10万以上の補助を受けられるところもあります。

今後の身体能力の変化を検討しながら商品を選ぶ必要があるので、福祉用具事業所の福祉用具専門相談員等に確認しながら、必要な用具を選定しましょう。

貸出・購入の援助が受けられない物

福祉用具貸与の貸出(レンタル)にて、介護予防サービスとして利用できないものがあります。

  • 車いすや、その付属品
  • 特殊寝台や、その付属品

車いすと特殊寝台については、「要介護2」以上から利用ができることとなっています。

ただし医師の判断が必要で、”使う必要がある”と認めてくれれば、貸出可能となります。

介護予防サービスの担当者

介護予防サービスは、地域包括支援センターが相談窓口となっており、ケアマネジャーと同様にサービス調整や本人の状態を把握し、必要なサービスの情報提供や助言などを行います。

明確に誰が担当者だと決まっているわけではなく、利用者さんを取り巻くチーム全員で介護予防に関わり、生活機能向上や身体機能向上の目標に向かって、支援を行っていくのです。

介護予防サービスを行う者としての心構え

介護予防サービスを提供する者として、まず利用者の方が、現時点では予防の段階であることについて、しっかりと把握することが必要です。

介護サービスをむやみやたらと利用することで、できていたことができなくなる場合があるからです。

どんどんと身体能力が低下するということが起これば、介護予防サービスの内容について、見直したほうがいいかと思います。

利用者さんが自立することを最優先に、支援することが大切です。

介護予防は、高齢者がいつまでも元気に過ごせるように支援する介護サービス


介護予防サービスを利用できる人は、おおむね自立した日常生活ができると、判断された人です。

介護予防サービスをうまく利用することで、長く自立した日常生活・歩行状態を保つことができるでしょう。

そしてそのサービスを提供する側にも、ただ介護・介助をするのではなく、要支援1・要支援2・総合事業対象者となった方が、自立した生活を長く送れるようにするという心構えが必要なのです。

「いつまでも元気に」を目標に、利用者とサービス提供者が一丸となって、取り組んでいく必要があるサービスと言えます。

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