認知症、接し方のポイント。楽しい雰囲気づくりの大切さ

使えるハウツー


みんながニコニコとしていて、あちこちから笑い声が聞こえるような和やかな雰囲気のなかにいるとき、認知症の人は「ああ、ここは居心地がいいな」と感じています。

「ここなら安全、安心だ」「ここにいていいんだ」と思えるので、自然と気持ちが落ち着き、穏やかに過ごせるのです。

介護者がそのことを知っているだけで、認知症の人の暮らしやすさはグンとアップするだけでなく、介護者自身の負担も減らすことができます。

このコラムでは、楽しい雰囲気をつくることの大切さと、具体的なやり方のヒントをお伝えします。忙しい毎日かと思われますが、「あ、今わたし、みけんにシワが寄っているかも!」と思ったら、ぜひ思い出して実践してみてくださいね。

認知症の人の心のなかを想像してみよう

突然ですが、ひとりで海外を旅したことはありますか?また、そこで道に迷ったことは?そんな経験のある人もない人も、それがどれほど心細いことかは分かるのではないでしょうか。

認知症の人の心のなかも同じです。少しずつできないことが増えて、「これからどうなるのだろう」という不安、「何も分からなくなってしまった」という恐怖、「昔はこんなじゃなかったのに」という喪失感、強い孤独で心がいっぱいになってしまう。それは言葉も通じない異国を、たった一人でさまようことと似ています。

私たちも海外旅行で道に迷い途方に暮れているとき、誰かがニッコリしながら話しかけてくれたら、たとえ言葉が通じなくても、「ああ助かった、良かった!」と救われた気持ちになるものです。認知症の人にとって、だれかから向けられる笑顔は、それくらいのパワーがあると言えるでしょう。

認知症の人は視界が狭くなっているので、その人の視界に正面からしっかりと向き合い、笑顔で目をあわせて、やさしく話しかけましょう。その一連の動作で、相手はほっと安心し、「怖くない、大丈夫なんだ」と感じることができるのです。

笑顔は認知症の人にとって一番心地よい刺激


老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設で働く介護職のみなさんは、レクリエーションで「どんなゲームがもりあがるかな?」「どんな体操が一番いい運動になるかな?」と日々知恵を絞っていらっしゃるかと思います。

認知症の人にとって、一番心地よい刺激は「笑顔」だそうです。もちろん、折り紙やぬりえも脳を活性化するのですが、笑顔で見つめられること、語りかけられることに勝るものはありません。

いっしょに楽しい時間を過ごして、施設のスタッフや家族、周りの人たちの笑顔を見ることで、認知症の人は精神的に安定します。そして、自然に会話やコミュニケーションが生まれて、良い循環がまわりだします。

最近話題になっている認知症ケアの手法である「ユマニチュード」でも、まずしっかりと相手の視界に入り、やさしく話しかけることからケアを始めます。

相手の目を見てほほえみながら「◯◯さん、お顔の色がいいですね」「笑顔がステキですね」と前向きな言葉をかけることで、「あなたのことを大切に思っていますよ」というメッセージを伝えることができます。

逆に、険しい表情や無言でケアをしようとしたり、トゲトゲとした雰囲気を漂わせてしまうと、認知症の人に対してネガティブなメッセージを伝えることになります。その結果、本人を不安にさせて怒りを誘発したり、意欲を減退させることにもつながってしまうのです。

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