介護職のストレス対処法、知っておきたい「心のしずめ方」

使えるハウツー

がっかりした女性

「職場の人間関係で悩んでいる」
「休日にゆっくりしたはずなのに、疲労感が抜けない」
「明日から仕事だと思うと、気分が落ち込む」

・・・最近、こんな気持ちになっていませんか?介護のお仕事は身体的にもハードですが、ストレスにつながる原因のほとんどは「人間関係の悩み」と言われています。

今回は、少しでも気持ちがラクになる考え方や、こころのしずめ方をいくつかご紹介します。

介護現場でのストレス、原因のほとんどは職場の人間関係

たとえば、人手不足による仕事量の多さ。お給料などの待遇面。働いている施設の方針に納得できない・・・など。
ストレスの原因はさまざまあるものの、アンケート結果や現場の皆さんの声のなかで一番多いのは、職場の同僚との人間関係です。

「先輩の対応がきつい。私は介護職の経験がなく、仕事が遅いからだと思うのですが、『なぜ、こんなこともできないの?』と毎回言われても・・・」
介護職歴3ヵ月、40代女性

「介護歴5年目で、今はリーダー的な立場です。20歳以上も年上の後輩さんたちをまとめるのは、本当に疲れます。とくに、転職組の職員さんは、自己流のやり方があって、なかなか改めようとしてくれません」
介護職歴5年、30代女性

「新人職員の利用者さんへの接し方が失礼でしたので、注意しました。その時は『はい、分かりました』と答えてくれたのに、その後も態度は一向に良くなりません。もう何度となく注意していますが、どうしたらいいのでしょうか?」
介護職歴2年、50代男性

介護の現場は、慢性的な人手不足や、職員の定着率が悪いこともあり、チームワークをしっかりと構築するのが難しいこともストレスの原因となっているようです。

原因を分析してみると、疲労感を手放すキッカケに

人間関係のもつれ

相手がいるだけに、むずかしい問題であるのは事実。とはいえ、毎日の大半を一緒に過ごすわけですから、こじれたままでは気分も滅入るし、職場全体にも悪影響をおよぼしかねません。

そこで、まずやってみるのは、あなたがストレスを感じている原因について、もう少し掘り下げて考えてみるということ。

誰の、どんな事柄について、いつ問題が起こるのか?それはなぜ起こるのか?

あなたがストレスを感じたり、疲れたりする原因は何なのか。まずは客観的に考えてみましょう。

人間関係の問題のほとんどは、感情のもつれが大きく関係しています。こじれてしまった感情の糸をほどくためには、その原因をはっきりさせることが第一歩です。

たとえば、上記の介護歴5年目のリーダーの方を例に考えてみます。

「20歳以上も年上である後輩への接し方について悩んでいます。とくに転職組の人たちは、自己流のやり方があって、なかなか改めようとしてくれません」

・ストレスを感じる相手と、その言動とは?
この場合、相手となるのは、年上ながらも後輩の立場となる同僚。

A子さんがリーダーの指示に従わない理由として、考えられるのは

  1. 1.自分のやり方のほうが正しいと思っている。そのやり方で、利用者さんに喜んでもらった経験がある。
  2. 2.自分よりも若いリーダーに従うのは、プライドが傷つきイラッとする。
  3. 3.新しいやり方がよく分からない。

・その原因によって、対応策を考える
1の「自分のやり方が正しい」という場合。介護の対処方法には正解・不正解がはっきりさせにくい内容が多いため、このような問題が起きやすいといえます。たとえば、高齢者に対して赤ちゃん言葉を使うかどうかなど。

けれども、介護のお仕事において基本的なこととは、施設としての考え方を優先すべきこと。スタッフによって方法が異なると、利用者さんを混乱させてしまうかもしれません。本来はリーダーの指示に従うべきなのですが、聞き入れてもらえない場合は、施設長からしっかりと伝えてもらいましょう。

ただ、その場合でも、相手を100%否定するような雰囲気は避けましょう。2の問題も同様ですが、A子さんには「キャリアを積んできた自分を認めてほしい」という願望があります。3の「新しいやり方がよく分からない」という場合も、積み上げたキャリアがあるだけに「今さら他人には聞けない」というプライドが邪魔をしていると考えられます。

相手の心の奥にある感情を察して言葉をかけることで、意外にも関係改善がみられることはよくあることです。

負の感情がこころをより疲れさせる

「あの人と話すと、気分が悪くなる」「もう自分には無理かもしれない」

ネガティブな感情がわいてくると、脳の中では「疲労を促進する因子」が活発になることをご存知ですか?ストレスがかかった状態が続くと、活性酸素が発生して、細胞を酸化させ、そこから疲労因子が分泌されるのです。

逆に、楽しいことや興味があることをやっているときには「疲労を防御する因子」が活発になり、脳が疲れにくくなります。

たとえば、利用者さんが楽しみにしているレクリエーション。前日の夜遅くにカードやペーパークラフトをつくったりと準備は大変だけれど、喜んでくれる皆さんの顔を思い浮かべるとつい張り切ってしまう。そんなときは「疲労を防御する因子」が働いているため、疲れを感じにくいのです。

たとえ、原因が先方にあるにしても、負の感情をもち続けることで自分自身を疲れさせてしまうなら、早くその気持ちを手放すべきですよね。

今日からできるこころのしずめ方

リフレッシュする女性

ネガティブな感情を少しでもおさえるために、すぐにできるテクニックをいくつかご紹介します。

怒りはコントロールできる

「アンガーマネジメント」という言葉をご存知でしょうか?怒りの感情に振り回されるのではなく、逆に自分でコントロールして、状況の改善につなげる考え方です。相手の言葉に「カチン!ムカッ!」と来たときの対処法として、取り入れやすい2つの方法をご紹介します。

・「カチン!」ときたら、6秒待つ
言い争いがおこるのは、お互いに反論をするから。一人だけではけんかになりません。

腹立たしいことを言われても、すぐに言い返すのではなく「1、2、3・・・」と6秒間カウントしてみましょう。

・怒りの度合いに点数をつける
そして、その6秒間で、言われた言葉について怒りの度合いを点数化してみましょう。
評価基準は、もっとも腹立たしいと思うことを10、逆に平穏な状態を0として考えます。そのように客観的に捉えると、ほとんどの場合は、怒りの度合いは2~3点くらいではないでしょうか。

切り替えスイッチを持っておく

あなたのまわりにプレッシャーは多いはずなのに楽しそうに働いている人はいませんか?その人は気持ちの切り替えが上手な人です。さまざまなストレスがあったとしても、引きずられることなく自分でコントロールするためには、その仕組みを用意しておくことです。

切り替えスイッチは、自分なりの方法でいくらでもつくれるものですが、一般的なものをいくつかご紹介します。

・手のひらを見る
身近な方法として、自分の手のひらを3秒間じっと眺めてみましょう。ムカッとした相手の言葉やイライラした気持ちはとりあえず脇において、自分の手のひらに集中します。「ちょっと手荒れしてるな」とか「手相はどうかな?」とか、意外に自分の手を見ていると、そちらに気持ちがむいてくるものです。

そして、少し気持ちが落ち着いてきたら、今度はグーと手を握り締めて「よしっ!」と、自分にエールを送ります。

ただそれだけのことなのですが、繰り返しやっているうちに、それが自分の気持ちを切り替えるスイッチの役割をしてくれるようになります。

・無心になって掃除をする
どこか一ヵ所だけでよいので、徹底的に掃除をしてみるのもオススメです。余計なことは考えず、エントランスを掃除する。食事のテーブルをピカピカに拭いてみる・・・。体を動かすことでこころが軽くなるとともに、目の前の景色もきれいになるので気分転換にちょうどよい時間の使い方です。

・寄り道して、お気に入りのコーヒーを楽しむ
たとえば、前から行ってみたかったおいしそうなカフェ。一人でゆっくりと味わってみましょう。

スマホは見ないで、自分のこころに向き合ってみる。カップの温もりを手に感じながら、おいしい香りに目をとじてみる。たった10分ほどの時間でも、コーヒーの世界だけに浸かってみることが気分転換につながります。

これらにかぎらず、何か一つのことに集中することは、こころの切り替えスイッチになります。スマホやTVなどから雑多な情報があふれ、それを受け止めるだけでも、私たちの脳はとても疲れているのです。そこに人間関係のややこしい問題があれば、なおさらのこと。

時間の流れをゆっくりモードに切り替えて、自分を楽しませてあげるひとときをつくることで、ずいぶんと心は軽くなるのです。

ゲーム感覚で、視点を変えてみる

コミュニケーションにズレが生じるのは、たいていの場合、相手の考え方が理解できないことが原因です。

たとえば「なぜ分からないの?何度も注意したでしょ」「いいえ、私のほうが正しいのよ」といった発言は、お互いの見ている景色が異なり理解し合えていないからこそ出てくるのではないでしょうか。

そんな時は、ゲーム感覚でいっそのこと「相手の立場になりきってみる」ことです。

「A子さんは、いつも偉そうに振る舞っている。でも、意外に自信がないからかも?」
「本当は不安なのかもしれない」
「今度こそは自分の居場所をみつけたいと、思っているのかも」「『A子さん、さすがね』と言われるように、知識を披露しているのね」
「本当は、自分の性格を変えたいと思っているけれど、なかなか素直になれないのかも」

そうやって、相手の視点に立ってみることで、見えなかった相手の弱い気持ちに気づくことができるかもしれません。

自分が変われば、相手も変わる

リラックスした雰囲気のカンファレンス

人間関係のストレスはなかなか難しい課題ですが、人生において、誰もが避けて通れない課題でもあります。

それならば、自分から歩み寄って、自分という器を少し広げるチャンスと捉えてはいかがでしょうか。

相手の意見にまず一歩近づくことは、相手を理解し、包み込むことだと考えることもできます。そのためには、自分の意思をちゃんと理解してもらえる術を身につけること。言葉づかいや接し方を工夫してみること。

相手に変わってほしいと思うなら、その前に、まずは自分から変わってみることが大切なのだと思います。

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