認知症の接し方(5)心からのありがとうを伝えよう

使えるハウツー

高齢者と介護スタッフが握手している様子
「ありがとう」の一言で、それまでの苦労も忘れて気持ちが前向きになった経験はありませんか?誰にでもできて、相手を確実に元気にさせられる方法、それが「感謝すること」です。

感謝されると元気が出るのは、認知症の人も同じ。感謝の言葉を受け取ることで、「自分もまだまだ役に立つ」「ここに自分の居場所がある」と思えると、認知症の周辺症状(BPSD)にも良い影響をあたえます。

「でも、感謝って実際にはどうやってするの?」「どう感謝したらうまく伝わるの?」そんな素朴な疑問に対するお答えや、具体例も以下でご紹介していきます。これらを参考に、感謝上手な介護スタッフを目指してくださいね。

「ありがとう」は、認知症の人に勇気をあたえる

認知症の人に接するとき、怒らない、ほめる、楽しい雰囲気をつくるなど、いくつかのポイントがありますが、もっとも良い影響を与えるのは、感謝の気持ちを伝えることだといわれています。

なぜなら、「誰かの役に立ちたい」という気持ちは、人間の根本的な欲求だから。どんな人でも、誰かの役に立つ存在であることを認めてもらいたい、そして大切に扱われたいという欲求を持っています。これは「承認欲求」と呼ばれていて、人から感謝されることで満たされます。

認知症の人は、病気のせいで自己肯定感が大きく下がっていたり、劣等感や無力感を抱えていることが多くあります。承認欲求を満たすことは、自分に自信を持ち、前向きに生きるための大きな力となるのです。

認知症の人のこころは不安でいっぱい

男性高齢者が不安がっている様子
感謝することの必要性を正しく理解するには、まず認知症の人のこころのなかを、自分のことのように想像してみることが役立ちます。

認知症の人は、自分になにが起こっているのか、この先どうなるのか分からない、という不安感や孤独感を強く持っています。
さらに「自分が情けない」「こんな扱いを受けて屈辱だ」という劣等感や怒り、みんなに迷惑をかけているいたたまれなさや無力感、「自分も何か役に立ちたい」というあせりもあります。

もしも、自分がその立場になったら、きっとあなたも同じ気持ちになるのではないでしょうか。それなのに、がんばったことに対して「余計なことはしないで」と返ってきたら・・・まるで自分が役立たずのお荷物のように感じられて、悲しくなりますね。
逆に「ありがとう、とても助かったわ」と感謝してもらえたら、「自分も役に立てた」「私はここにいていいんだ」と、こころが救われるように感じるのではないでしょうか。

認知症の人にとって人から感謝されることは、自分の存在価値を実感するために、とても大切で欠かせないことなのです。

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