高齢者レクリエーションを盛り上げるコツと注意点は?

使えるハウツー

レクリエーションに参加する高齢者と介護スタッフ
老人ホームなど介護施設で行われるレクリエーションは、利用者様の生活に楽しみをプラスするもの。ぜひ、楽しみにしてもらえるような、笑顔いっぱいのレクを企画していきたいですね。

レクを担当する介護職員は、盛り上がる進行や安全性の確保など、やるべきことがもりだくさん。今回は、「ここを押さえておくとレクがうまくいく」「いつも以上に盛り上がる!」そんなポイント&注意点をご紹介します。

「レクが上手」は誇れる介護スキル。楽しいレクでみんなの笑顔を引き出していきましょう!

準備段階のポイント

レクの準備段階でぜひやっておきたいのが、「シミュレーション」です。といっても難しいことはなく、自分の頭のなかで、スタートから終わりまで順を追って想像してみるだけでOK。これをしておくと、小道具の見落としや、隊形の不具合などに前もって気づけます。

ほかにも、「本番ゲームの前に練習ゲームを入れたほうがいいかも」「途中でチームの相談タイムを設けてみようか」など、さまざまなアイデアが出てきます。細かいセリフまで決める必要はありませんが、ある程度、言い方も考えておくとよいでしょう。

可能なら、職員同士でもシミュレーションをして意見交換を。「ゴムボールよりビーチボールのほうがいいんじゃないかな」「ここは2列になるより、円形に座った方がよく見えると思う」など、自分一人では気づかなかった点を指摘してくれるかもしれません。このひと手間で、レクの完成度がぐっとアップしますので、ぜひ取り入れてみてください。

レクの始まり・導入のコツ

指差しする女性レクが楽しく盛り上がるには、導入が肝心です。ポイントは2つ。

1つめはゲーム前のアイスブレイクです。ちょっとしたスキンシップなどで気持ちをほぐせば、リラックスした気分でレクに参加していただけます。

体を軽く動かすミニゲームを入れても良いですし、自己紹介の後に握手してもらったり、隣の人と肩もみや手のマッサージをしあうなど、簡単なことでOK。場の雰囲気が打ち解け、「さあ、楽しむぞ」という気持ちが整うので、ぜひ取り入れてみてください。

もう一つのポイントは、「ルール説明もレクのうち」を意識すること。話の内容がよく伝わるように、身振り手振りをつけて、ゆっくり語りかけるように話します。一人ひとりの表情を確認しながら説明し、「?」な顔をしている人がいたら重ねて説明を。

また、説明は適当に区切り、「まずはここまでやってみましょう!」と体験してもらいながら進めましょう。説明が終わったら、「ここまで来たらこのあとどうするんでしたっけ?」などと質問してみるのも良いですね。

盛り上がる進め方のコツ

進行役が淡々としていると、せっかくの楽しいゲームも盛り上がりません。まずはスタッフが率先して楽しむことが大切。そのうえで、実践すると盛り上がる3つのテクニックをご紹介します。

(1)スタッフの失敗例で盛り上げる
「ちょっとやってみますね。・・・・おっと!(スタッフが失敗を実演)・・・というのはダメな例ですよ、私をまねしないでくださいね~(笑)」といった具合です。小さくても、笑いが起こるとぐっと場の雰囲気が和やかになります。ルール説明の際に取り入れてみてください。

(2)積極的にかけ声をかける
「はい、いきますよ~、せーの!」「よいしょ!もういっちょ!」「それ!」など、ゲームに合ったものならどんなかけ声でもOK。スタッフが積極的に声をかけることで、ゲームがぐんと盛り上がります。

(3)一人1回褒める
高齢者のレクリエーションでは、参加者全員に目を配ることが必要ですが、なかなか難しいもの。わかりやすい目安として、「一人1回褒める」をルールにしてみましょう。

目立つ人や積極的な人は楽しそうにしていても、その影にかくれて楽しめていない人がいるかもしれません。どんな人にも、どこか褒める点はあるはず。

「負けてしまったけど、応援は一番でしたね!」「笑顔がいいですね!」「ユニークな答えですね~」「陰の功労者ですね!」などなど、いろいろな角度から褒めてみて。つまらなさそうにしている人が一人もいない状態にできたら、レクは大成功です!

高齢者レクを行ううえでの注意点

言葉遣いについての注意点

手でバツをつくる女性
レクリエーションだからといって、利用者様の自尊心を傷つけるような言葉遣いはNGです。

たとえば、利用者様をちゃん付けで呼んだり、「~だよね?」「急に立ったら危ないでしょう」「あらあら、疲れちゃったかな?」etc・・・。子どもに対するような言葉遣いや、「~してあげるね」など上から目線の言葉は、たとえレクであってもよくありません。

「~ですよね?」「こうしてみたらどうでしょう?」「疲れましたよね」「~しましょうか?」など、ほかの介護サービスを提供するときと同様に、きちんと丁寧語、敬語を使いましょう。

レクの最中は盛り上げたいと思う気持ちが先走ってしまいがちですが、きちんとマナーを守って進行することで、利用者様に気持ちよく楽しんでいただけます。

安全のための注意点

◆車いすの場合の注意点
車いすが所定の位置に着いたら、まずはロックを忘れずに。体が傾く場合は、たたんだタオルなどをお尻の下に入れて、まっすぐになるように調整します。ボールを投げたりするゲームでは、上半身が揺れて車いすから落ちそうになることがあるので、すぐに職員がサポートできるよう、近くに人員を配置しておきましょう。

また、横の人との距離が近いと、車いすに手があたって思わぬケガの原因になることもあります。お隣と手がつなげる程度の距離を目安に、スペースに余裕をもって座ってもらいましょう。

◆片麻痺のある方の注意点
麻痺のある方向に体が傾きやすいので、椅子から落ちないよう、背もたれ・肘かけのある椅子を使うのがおすすめ。左麻痺と右麻痺の人が並ぶと肘どうしが当たることがあるので、並ばないよう席順に配慮します。

また、下に落ちたボールなどを拾おうとして、転倒することがあるので注意してください。スタッフが麻痺のある側の斜め後ろに立ち、サポートするようにしましょう。

◆耳の遠い方の注意点
進行役の説明が聞き取れないと、ゲームが理解できず、疎外感を感じてしまうことも。職員が近くにつき、必要に応じて援助しましょう。

楽しむためのレクで、無理強いは禁物

レクリエーションで盛り上がっている様子
そのほかの注意点として、本人の意思を尊重し、無理強いしないことも重要です。趣味や嗜好は人それぞれ。やりたくないことを強要されるのは、誰でも嫌なものです。

なるべく多くの人が楽しめるよう、体を動かすレクや、脳を刺激して認知機能を高めるレク、作品を作るレクなど、偏りのないようにレクを実施していきましょう。気分の乗らないレクはパスする選択肢もある、そんな自由もQOL(=人生の質)の向上には欠かせません。

いくつになっても好きなことができる、明日も楽しいことが待っていると考えることができれば、生きる意欲が湧いてきます。レクリエーションで、そのお手伝いができるといいですね。

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