混乱しがちな介護食の種類と特徴を、わかりやすく解説!

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バランス良い介護食のイメージ

介護食には、「きざみ食」「軟菜食」「ソフト食」「ゼリー食」「ミキサー食」など、形態によっていくつか種類があります。それぞれに、食べる力が衰えた高齢者向けに工夫を凝らされていますが、なかには向き不向きや、気をつけるべき注意点、デメリットなども存在します。

「食は健康の源」と言われ、ご長寿の方には健啖家(けんたんか=好き嫌いなくなんでも食べる人)が多いもの。病気を遠ざけ、毎日元気に過ごし長生きしていただくためには、自分の口からおいしく食べていただくことが欠かせません。介護食の種類に関する基本知識を身につけて、しっかり高齢者の健康をサポートしていきましょう!

介護食の種類

食事介助の様子

きざみ食

食材をこまかく刻んでいるのが「きざみ食」です。刻む大きさは食べる方の状態に合わせ、2センチ程度から5ミリ程度までさまざま。ただし食材によっては、細かく刻むことでかえって口の中でまとまりにくく、むせや誤嚥(ごえん)、喉のつまりを招くことがあります。これを防ぐには水分を含ませ、適度にとろみを付けるようにしましょう。

きざみ食が合う人は、歯がないなど噛むことに問題を抱えている人。一方、唾液が少ない人や飲み込む力が衰えている人には向きませんので、覚えておきましょう。

軟菜食・ソフト食

軟菜食とは、食材を歯茎や舌でつぶせるくらいに柔らかく仕上げた食事のことです。食材の形が残っており、味も見た目も普通食と変わらないのがメリット。デメリットは、作るのにノウハウが必要なことです。肉を筋切りして叩いたり、圧力鍋を使ったり、野菜の繊維を断ち切るように切るなど、それぞれの食材に合わせて下ごしらえを工夫し、手間をかける必要があります。

ソフト食は、食事を食材ごとにペースト状にして、型に入れ固めたもので、ムース食とも呼ばれます。軽く噛むか、舌などで押しつぶせば飲み込むことができます。作るのは大変ですが、普通食に近い見た目で、食べる楽しみを実感しやすいところがメリット。また、軟菜食とソフト食(ムース食)をまとめて、ソフト食と呼ぶこともあります。

柔らかさの度合いは、容易に噛める程度から、ほとんど噛む必要がない程度まで、食べる人に合わせてさまざまなものがあります。

軟菜食・ソフト食は、柔らかくてまとまりがあるため、飲み込みやすいのが特徴です。噛む力、飲み込む力ともに衰えてきた人に向いています。ただし柔らかさの度合いは、その人に合ったものを選ぶことが大切です。

ゼリー食

ゼリー食とは、料理をペースト状にし、ゼラチンや寒天などを加えて柔らかく固めたもの。ゼリーのような食感で喉の滑りも良く、口の中でつぶさなくても安全に飲み込めるのが特徴です。噛む力、飲み込む力ともにかなり低下している人に向いています。

ミキサー食

ミキサー食とは、食材に出汁などを加え、ミキサーでなめらかなポタージュ状にしたもののこと。噛むことがほとんどできず、飲み込む力も弱まっている方でも食べられるのがミキサー食です。

ただし、液状のものは口の中でまとまりにくく、喉の奥に流れこむと、むせたり誤嚥したりする危険があります。また、水分が多くなるためおなかが一杯になってしまい、必要な栄養素が十分にとれない可能性も。見た目があまりおいしそうでないこともデメリットです。

ミキサー食にする場合は、ポタージュ程度を目安に、その人に合った適切なとろみをつけることが大切です。また、栄養状態や提供時の盛り付けにも気を配り、少しでもおいしく食べていただけるよう配慮していきましょう。

介護食の区分方法を知ろう

やわらかいものを召し上がられる様子

上記で介護食の種類をご紹介しましたが、実は「軟菜食」と「ソフト食」、「ソフト食」と「ムース食」、「ゼリー食」の間は、線引きがあいまいです。施設によって呼び方が違うことも多くあります。

それに、ひとつの種類の中にも幅広い柔らかさがあるので、それだけ聞いてもどの程度の柔らかさなのか分かりません。そんなときの指標として役立つのが、介護食の区分です。

現在多く使われている区分法が2種類あります。ひとつは「ユニバーサルデザインフード(UDF)」、もうひとつは「スマイルケア食」です。さっそくどのようなものか見ていきましょう。

ユニバーサルデザインフード(UDF)の区分とは

ユニバーサルデザインフードとは、日本介護食品協議会が提唱する介護食の枠組みで、食品の形態ごとに4つの区分を設けています。市販の介護食のパッケージに表示されていることも多く、選ぶときの指標にされています。

区分1:容易に噛める(例:ご飯~柔らかご飯、厚焼き卵など)
区分2:歯茎でつぶせる(例:柔らかご飯~全粥、だし巻き卵など)
区分3:舌でつぶせる(例:全粥、スクランブルエッグなど)
区分4:噛まなくてもよい(例:ペースト粥、具のない茶碗蒸しなど)

スマイルケア食の区分とは

スマイルケア食とは、農林水産省が普及を推進している、新しい介護食の枠組みのこと。スマイルケア食では、健康維持上栄養補給が必要な人向けに「青マーク」、噛むことが難しい人向けに「黄マーク」、飲み込むことが難しい人向けに「赤マーク」と、その人の状態に合ったものを選びやすいよう、マークを色分けしています。さらに固さや形態に応じて黄マークは4段階、赤マークは3段階に分けられています。

ユニバーサルデザインフードの区分を筆頭に、今までにいくつか介護食についての民間規格はあったものの、バラバラに作られていたため分かりにくさもありました。スマイルケア食のマークは、それらを統一して分類したものになります。

ちなみに、ユニバーサルデザインフードとの関連性は以下のようになっています。

区分1(容易に噛める)=黄色5
区分2(歯茎でつぶせる)=黄色4
区分3(舌でつぶせる)=黄色3
区分4(噛まなくてもよい)=黄色2、赤色2、赤色1、赤色0

ユニバーサルデザインフードではひとつの区分だった「噛まなくてもよい」食品が、ペースト状かムース状、ゼリー状かなどによって、より細かく分類されました。まだまだ普及途中ですが、知っておくとご家族から相談を受けたときなどに役立ちますよ。

>スマイルケア食の選び方早見表
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/attach/pdf/kaigo-44.pdf

介護食はオーダーメイド

楽しくお食事されている施設ご利用者様

介護食には形態・柔らかさなどによって多くの種類があり、線引きも難しいところがあります。ただひとつ明確に言えることは、「その人の状態に合っているかどうかが重要」ということ。

Aさんはこれで食欲が出て、めきめき元気になられたけれど、Bさんは食が進まない・・・。現場ではそういうことが当たり前に起こります。それは、「食べられない」理由が一人ひとり異なるから。老人ホームなどの施設でも「こういうものは食べづらそう」「これはペロリと召し上がるなあ」など、普段の様子で気になることがあれば、栄養士や調理師と連携して対応していきましょう。

また、高齢者が食べられない理由は、飲み込みや噛むことの問題だけではありません。入れ歯が痛む、便秘でおなかがすかない、悩みを抱えていて食欲がわかないなど、意外なところに隠れていることもあります。それに気づけるかどうかも、介護職のたいせつな役割のひとつです。

食べることは生きる楽しみであり、健康の土台です。その方の状態をしっかり確認し、これからもおいしく食べられる日々を多く過ごしていただけるよう、工夫を心がけていきましょう。

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