認知症介護実践者研修とは?メリットや内容が知りたい

資格・制度


介護の仕事に携わっているなかで、「認知症介護基礎研修」という研修を耳にしたことはありませんか?

もしもあなたがベテランの介護職さんなら、基礎研修だけでなく、「認知症介護実践者研修」や「認知症介護実践リーダー研修」についても、存在は知っているのではないでしょうか。

ひょっとすると勤めている施設から、研修を受けて欲しいと要請されたことがある人もいるかもしれませんね。

どれも介護の仕事をしている専門職の方が、認知症ケアに関してスキルアップをするための研修です。

このコラムでは、これらの研修を受けるメリットや内容、日々の仕事にどう役立つかなどについて詳しく解説。認知症ケアに興味のある方、スキルアップを目指したい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

介護職の認知症ケアは3つの研修でスキルアップ


介護職の認知症ケア技術は、レベルに合わせて3つの研修でスキルアップすることができます。

研修を行う母体は、勤めている介護施設や事業所が所在する都道府県。実際には地域の社会福祉法人などに実施を委託していることが多いようです。

実施団体によってそれぞれ若干違いがあるため、もっと詳しく知りたいときは、都道府県のホームページなどでご確認ください。

(1)認知症介護基礎研修

●受講資格
該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であること。

経験が浅めの方向けの研修になっていて、保有資格はとくに問われません。

●主な内容
認知症に関する基礎知識や技術について、講義と演習を通じて学びます。カリキュラムは1日で、午前と午後合わせて6.5〜7時間程度となっています。

修了試験などは特になく、前向きな姿勢で全てのカリキュラムに参加すれば、修了することができます。

●受講料
受講料とテキスト代合わせて、だいたい数千円程度が多いようです。

(2)認知症介護実践者研修

●受講資格
該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であること。

また、介護の現場経験が2年以上など、ある程度現場で経験を積んだ中堅介護職の方向けの研修になっています。

●主な内容
認知症ケアの実践者として、講義や演習、ディスカッション、実習を通じて認知症についての理解を深めていきます。認知症の方の能力を生かした介護方法を選べるようになったり、認知症の方の権利を守る方法、家族を上手に支援する方法などを身につけたりすることができます。

具体的には、講義と演習35時間ほどを5日にわたって行ったあと、自分が勤務している施設で2週間ほど、自施設実習(アセスメントとケアの実践)を実施します。

このとき、施設の利用者で認知症の方をひとり選び、アセスメントとケアの実習に協力していただく必要があります。ご本人やご家族の了解に加え、職場の理解と協力も欠かせません。

最後に実習のまとめとして、発表とレポート提出を行ったら、合計約3週間でカリキュラムが終了です。講義は毎日続けて行われるわけではないので、実際の期間は約1〜3ヵ月ほどにわたります。

積極的な姿勢できちんと取り組めば修了でき、最後に修了証の交付があります。

●受講料
受講料は自治体によってばらつきがあります。無料の場合もありますが、だいたい10,000円~30,000円程度が多いようです。

(3)認知症介護実践リーダー研修

●受講資格
該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であること。そして、上で紹介した認知症介護実践者研修を修了し1年以上経過していることが条件になります。

そのほか、現在ケアチームのリーダーかリーダー候補であり、介護現場経験が5年以上あるなど、ベテラン介護職の方向けの研修になっています。

●主な内容
認知症に関する最新の知識を身につけたり、チームで認知症ケアを効果的に行う方法や、認知症ケアに関する教育・指導方法などを学んだりします。 ただ講師の話を聞くだけではなく、自分で課題を設定したり、レポートや課題提出、自分の意見の発表、他の受講生との意見交換など、いろいろな手法で理解を深めていきます。

具体的には、講義と演習55時間程度を9〜10日ほどにわたって行ったあと、自分が勤務している施設で4週間ほど実習(他の職員の指導の実践)を実施します。

このときには、施設内で指導する介護職員をひとり選び、実習に協力してもらう必要が。実践者研修と同じように、職場の理解と協力は欠かせません。

最後に実習の結果報告と評価を行い、約6週間で全てのカリキュラムが終了です。こちらも研修は毎日続けて行われるわけではないので、実際の期間は長い場合で半年ほどにわたります。

チームリーダーとして必要なスキルを身につけたと認められれば、最後に修了証の交付があります。

●受講料
こちらも受講料は自治体によってばらつきがありますが、だいたい20,000円~30,000円程度が多いようです。

研修を受けるメリットは?


認知症介護基礎研修は、認知症ケアの第1ステップ。かかる時間や受講資格などのハードルもそれほど高くないので、ぜひ受講して正しい知識を増やしたいですね。

介護職に慣れてきて、スキルアップを考えている方が検討しやすいのは、認知症介護実践者研修です。この研修を修了していると、認知症について表面的でない理解ができ、本人や家族の気持ちに、もっと寄り添いやすくなります。

施設内でも認知症介護のエキスパートとなることで、仲間のスタッフやご家族から頼られる存在になり、やりがいと存在感を増すことができるでしょう。

また、上記で紹介した研修は、厚生労働省が新オレンジプラン(認知症施策総合推進戦略)で修了者の増加を進めている公的な資格。制度上もさまざまなメリットがあります。

たとえば認知症対応型の施設やグループホームでは、計画作成担当者や管理者に、認知症介護実践者研修を修了した人を配置することが義務付けられています。

また通所介護なら、認知症加算を算定する要件に、認知症介護実践者研修の修了者を配置することがあります。このように施設側にしてみれば、研修修了者は運営や加算獲得に欠かせない重要な人材。

そんな背景から、研修を修了すると計画作成担当者や管理者、介護リーダーなどに抜擢されることもあります。昇進することで仕事の責任は重くなりますが、その分やりがいや給与アップが期待できます。

また民間の認知症資格に比べてもかなり有力なので、履歴書の資格欄に書いて堂々とアピールすることができます。万が一違う施設に転職を考えた際にも、手にしたスキルは有利に働くでしょう。

認知症ケアのスペシャリストとして活躍する未来を


認知症介護実践者研修を修了すれば、その後さらに実務経験を重ねて認知症介護実践リーダー研修を修了し、最終的には認知症介護指導者研修へとステップアップする道が開けてきます。

認知症介護指導者研修を修了すれば、今度は研修を受ける側ではなく教える立場=講師として多くの人を指導することもできるようになります。

2025年には最大で730万人にも達するといわれている認知症。

この道を究めていけば、認知症ケアに関するプロフェッショナルとして、社会から必要とされ、将来引っ張りだこの人材になることだって夢ではありません。

研修の募集は年に数回しか行われず、定員には限りがあるため、受講希望者が多ければ抽選や選考が行われます。また受講の際には職場に前もって相談し、協力してもらうことが必要です。

興味がある場合は計画的に動いて、なりたい自分へ向かって前進していきましょう!

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