介護施設のボランティア体験。心構えやメリットを教えて!

介護の現場から


「介護施設でボランティアをしてみたいけど、どうすればいいのか分からない」「やったことのない私にもできるのかな」・・・と二の足を踏んでいるあなた。

ボランティア活動をするには、自分や家族の状態が安定していて、かつ心と時間に余裕が必要です。

そんなチャンスって、実は長い人生のなかでそれほど多くはありません。介護のボランティアはとてもいい経験になるので、やってみたい気持ちがあるならぜひ行動してみましょう!

このコラムでは、介護施設でボランティアをするにはどうすればいいのか、また、知っておくと役立つ心構えについて、実際に介護施設でボランティアを経験した人の体験談を交えてご紹介。

先輩のアドバイスや体験談を聞いたら、きっとやってみたい気持ちがムクムクと、大きくなってくるはずですよ。

介護施設でボランティアをするにはどうすればいいの?


介護施設でボランティアをするには、大きく分けて2つの方法があります。

ひとつは、お住まいの地域のボランティア・市民活動センターに問い合わせをすること。都道府県や市町村の「社会福祉協議会」にあるボランティア・市民活動センターには、さまざまなボランティア情報が登録されています。

ここでボランティア募集の情報を確認し、興味があるもの、自分にできそうなことを探してみましょう。

もうひとつは、近隣の介護施設に直接問い合わせ、ボランティア活動を申し出ること。先方の希望とこちらのできることがマッチさえすれば、きっと大歓迎されることが多いでしょう。

もしあなたが65歳以上なら、介護ボランティアをすることでポイントがもらえ、それを自分の介護保険料の軽減に使うことができる「介護支援ボランティア制度」を採用している自治体もあります。詳しい内容は各自治体によって異なるため、お住まいの市町村に問い合わせてみてくださいね。

ボランティアってどんなことをするの?

介護施設でボランティアをする場合は、お年寄りの話に耳を傾ける「傾聴」や、入浴の際のドライヤーかけなど、それほど難しくはないけれど時間がかかることをお手伝いすることが多いようです。

その他にも外出の付き添いや、施設内や外構・庭などのお掃除、施設での行事への参加など、その施設がやってほしいことで、自分ができることなら何でも支援になります。

ボランティアをするのに資格は必要?

ボランティアは、自分にできることをできる範囲で行うのが基本です。ですから専門的な知識や技術はとくに必要ありません。やったことがないことを行う場合でも、必要に応じて職員がやり方を教えてくれますから、介護の資格や経験がなくても大丈夫なんです。

もしまったく予備知識がなくて不安なら、介護ボランティアを育成するボランティア講座も多く開かれています。費用もかからず気軽に受けられるものが多いので、近隣の講座情報をインターネットなどで検索してみましょう。

気をつけることや心構えは?


これはぜひ、経験者に聞いてみたいですね。そこで、3ヵ月間介護施設でボランティアをした経験がある人に、いろいろインタビューしてみました!

Q:介護施設でボランティアするときの心構えを教えてください!

ボランティアの最初に、職員さんに言われた注意事項は、『「〇〇してほしい」と言われなかったらしてあげないでね』ということでした。施設での基本は「本人と一緒にやる」というスタンス。できることは本人がやるので、少しやりにくそうでも、手を出さずに見守ることが大切なんです。

私は「なんでもやってあげるのが介護」だと思っていたので、ちょっとびっくりしました。

―なるほど。ついついやってあげてしまいたくなりますが、それでは本人のためにならないんですね。これはボランティアが陥りがちなミスかもしれません。

Q:他に気をつけることはありますか?

難しいことやリスクのあることは、基本的に職員さんがやってくれます。ボランティアは、おしゃべりが好きな人にはおしゃべりで付き合う、おしゃれが好きな人にはおしゃれで付き合うなど、楽しむことを担当することが多いんです。だからそんなに気負わなくても大丈夫!って言いたいです。

ただ、楽しいからって遊びではないので、そこの線引きはきちんとしないといけません。たとえば仲良くなった利用者さんと一緒に撮った写真を、勝手にSNSにアップしたりしてはダメ。プライバシーに配慮することも大切なんです。

介護施設でボランティアをするメリットは?

Q:ボランティアをしてみて、どんなものを得ましたか?

ひと言で言うと、固定観念が壊れました。それまで、なんとなく介護って「できない人にいろいろなことをしてあげる」ことだって思っていた。これって親切に見えて、実は上から目線なんです。

ひとつ印象に残っていることが、ドライヤーで利用者さんの髪を乾かしていたときのこと。私は「この方がオシャレになる」と思って乾かしていたのですが、利用者さんに「私はその髪型、好きじゃないの」って言われてしまったんです。

できないことがあって人の助けが必要でも、その人なりに深い考えや人生の蓄積があって、やりたいことや好きなことも違うし、好みの髪型だって違う。なのに、できないことがあるっていうだけで、何となく子供扱いになっていたんです。人それぞれの価値観を受け入れて、尊重することの大事さに気付かせてくれました。

今は違う仕事をしていますが、このときの経験のおかげで、自分中心の価値観から抜け出すことができました。自分はこれがいいと思っても、人によってそれぞれ正解は違う。答えはひとつじゃないと思えることが、今とても役に立っています。

Q:ボランティア経験のなかで、一番印象に残っていることを聞かせてください。

利用者さんは本当に人それぞれで、すぐに仲良くなれる人もいましたが、なかなか仲良くなれない人もいます。初めの1〜2ヵ月ほど、ずっと私とコミュニケーションしてくれない人がいました。話しかけても答えてくれなくて、よくひとりで絵を描いている人でした。嫌われているのかなって、ずっと思っていました。

ところが3ヵ月経って私がボランティアを終えるとき、その人が泣きながら、私の絵を描いてくれたんです。嬉しくて嬉しくて、たまりませんでした。その人の心に何かを残せたのかもしれないと思って、すごく感動したことが忘れられない思い出です。

介護ボランティアの経験は、人生を味わい深くしてくれる


ボランティアで得るものは、プライスレスな経験値なんですね。こうして得た経験は、その後のあなたの人生に必ずプラスになり、ピンチのときには助け、弱ったときには支えになってくれるはずです。

もしもあなたが学生なら、就職活動でアピールすることもできますし、何よりも社会人になる備えとして、かけがえのない経験ができます。

あなたが子育てや仕事を卒業して時間に余裕のある大人であっても、さまざまな立場・価値観の人と関わり、人間関係を育てることは、大きな生きがいとなって人生を輝かせてくれることでしょう。

ただしプライバシーへの配慮やリスク管理はきちんとしておくことを忘れずに。ボランティア活動中に起きた事故や怪我などを保障するボランティア保険というものがあるので、心配な人は加入しておくと安心です。

人生の経験値を積み上げることができる介護のボランティア。やってみたい気持ちがあるなら、その気持ちにフタをすることなく、ぜひチャレンジしてみましょう!

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