介護職にありがちなコミュニケーション不足によるトラブルとその予防法

介護の仕事

疑いの目を向ける家族

介護の仕事をするためには、忍耐強く、思いやりがあり、好奇心旺盛な方が向いていると言われます。普段から、ついつい聞き役に回ってしまうという優しい人も少なくないのでは?

一方で、利用者やその家族、職員同士などの人間関係においては、積極的にコミュニケーションを取らないと、思わぬトラブルにつながってしまうことも。ではトラブルを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?

トラブルになりかけた事例

私の祖母はある介護付き有料老人ホームに入居しています。私の母と叔母は、ほとんど毎日、昼間、祖母の様子を見に、施設を訪れていました。

祖母は重度の認知症で、コミュニケーションが取れませんが、それでも祖母に話しかけるとこちらを見てくれ、反応してくれます。母や叔母はたわいのないことを話しかけたり、テレビやCDをかけたり、床ずれを防ぐ体位交換をする職員さんを手伝うなどして、日々祖母を気にかけていました。

ある日、私と母が訪れると、祖母の腕にあざがあるのに気がつきました。これはどうしたことかと職員さんにたずねると、「体位交換の際にベッドの手すりにぶつかってしまった」とのことでした。私と母はそれを聞いて、急に不安に思いました。祖母が雑に扱われているのでないか…と。

しかしある日私が施設を訪れたら、祖母の体位交換の時間だったので遠くからその様子を見ていました。祖母のあざは、確かにベッドの手すりの位置だと気がつきました。体位交換が終わって私と目があうと、職員さんは汗だくの笑顔で会釈してくれました。

寝たきりの祖母の体位交換はとても力のいる仕事で、女性の多い介護現場では大変な仕事だと初めて実感しました。また、普段から細かいところまで配慮してくれている職員さんを見ていたので、祖母を安心して預けられる施設でよかったと感じました。

このケースではトラブルにはなりませんでしたが、些細なことが利用者やその家族の不信感となり、トラブルやクレームに発展することがあります。こうした事態を防ぐためには、普段からコミュニケーションをしっかりと取っておくことが大切です。

トラブルを予防するために

利用者と普段からコミュニケーションをとることもちろん大切ですが、利用者の家族とのコミュニケーションは重要です。コミュニケーション不足は信頼を築けず、するとよくあるのは、勘違いや些細なミスから「サービスの配慮が足りない」「余計な費用がかかった」という感情に変化し、クレームに発展してしまいます。

介護士が家族に説明

「トラブルになりかけた事例」では、介護の最中にあざができてしまったことを、家族が気づく前に報告して、謝罪するべきでした。できれば普段から、業務的な話だけではなく、利用者の話や世間話しなど、積極的にコミュニケーションを取って、家族と信頼関係を築いておきたいですね。そうすれば、クレームにつながりにくくなります。

とはいえ、もともと話すことが苦手な人が無理して話そうとすると、緊張しすぎて疲れてしまいます。そんな人は、話題を1つだけ決めておくといいでしょう。「利用者の最近のトピックス」などは家族と共通の話題ですから、話しやすいのですが、「どう対処するか?」または「どう対処したか?」を伝えることが最大のポイントです。

例えば、食事の量が減ってきた利用者の様子を伝える場合

A「最近食事の量が減ってきたので心配です」
B「最近食事の量が減ってきたので心配です。入れ歯の問題もあるかもしれませんので、来週歯科医が来るので診察していただこうと思います」

Aは「状況報告+感想」ですが、これを聞いたら家族はもっと心配になります。
Bは「状況報告+感想+対処法」ですが、これを聞いた家族は安心します。

介護員の説明に納得のイメージ

介護職は、介護のスキルだけではなく、コミュニケーション力も重要なスキルになってきました。少し話し方を意識するだけで、信頼につながります。さあ、明日から正しいコミュニケーションを実践してみましょう!

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